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介護士のリアル

介護士を応援したくて始めたブログで、介護の現場に関するリアルな情報提供をコンセプトにしています。メインライターは介護福祉士の資格を持つ介護業界20年以上のキャリアを持つ向日葵さん。仕事で悩んだ時の介護士さんのサプリになるよう体験談も掲載しています。

訪問介護でヘルパーが学んだこと

介護職は、施設、在宅を問わず、担当する利用者から様々なことを学ぶ瞬間があります。

特に、利用者の自宅で援助を行う訪問系では、長年利用者が暮らしてきた在宅での生活をまず受容することが原点だと私は思っています。

たとえその介護や家事の方法が、一般的には受け入れられないものであったとしても、命にかかわるような特別な場合でない限りは、いきなり否定をすることは避けたいものです。

ヘルパーに、夫婦のことを決められたくない!

80代前半の下半身麻痺の妻が、80代後半の寝たきりの夫を長年介護している夫婦の担当になった時の話しです。

寝たきりの夫の介護は全面的に妻が自分で行うとのことで、訪問入浴前の準備と見守り、そして妻と車椅子での買い物介助が援助内容です。

以前から、家の中を這って移動する妻の介護に不安があり「夫婦での在宅生活はすでに限界ではないか。」と、夫の施設入所も含めた検討もされていました。

しかし、「夫は最後まで私が世話をする!」という妻の強い意向があり、それまで何人もの職員が説得を重ねては、その後の訪問援助を拒否されてきた経緯があったようです。

そんな状況の中、私の訪問援助がスタートしました。

担当者が替わり、妻はきっと、また介護のことについて言われるのではないかと、じっと様子を伺うような厳しい表情で私を見ていたのを今でも覚えています。

私自身も、事前に色々な情報を聞いた上で訪問していたこともあり、重苦しい雰囲気の中で援助がスタートしました。

援助中、なかなかスムーズに話もできない中、何気なく窓越しに見えた真っ赤に色づいた紅葉を見つけた私は、庭の話を妻にしてみました。

「あなたは植物に色々興味があるようだね」と、それを機に妻と会話の糸口ができたのです。

そしてこの庭で夫婦でたくさんの植木を育てたこと、たくさんの果物がを実ったことなど熱心に話してくれました。

太陽のようなヘルパーになりなさい!

それ以来、少しずつではありましたが、穏やかに会話ができるようになりました。

そんな中で、妻から私に言われたこと。

「あなたは太陽のようなヘルパーになるんだよ。太陽はとても暖かいけれど日傘をさせばその中まで陽は差しこまない。押入れを開ければ中まで陽は入るけれど、押入れを閉めればその中まで陽は入らないよ。」と。

そして、「自分達のことは自分達が一番よくわかっている。だから、もう少し何も言わずにこのまま自宅での生活を見守ってほしいと・・・」初めて本音を聞かせてくれました。

その後、夫は自宅で亡くなり、妻もその後間もなく亡くなりましたが、今でもこの言葉は私の心の中で生き続けています。

まとめ

今回の援助を通して、私は多くのことを学ぶことができたと思います。

訪問介護による高齢者夫婦の入浴介助と買い物援助

私は道を覚えること、地図を見ながら目的地を探すことがとても苦手な人間です。

今でこそ、道案内のアプリを活用しながら目的地まで何とか迷わずに到着できる手段がありますが、ヘルパーをしていた時の私には本当に大変なことでした。

通常、私の仕事の地域は、移動手段に自転車を利用していましたので、初回訪問時に私のような人間は、道に迷うことも想定し、早めに職場を出発し、早く着いた時には家の前で待機することも多々あります。

もちろん利用者の家に着いたらそれで一安心!というケースばかりではありません。

ヘルパーの援助内容には買い物援助もあるため、そこからまた利用者の買い物場所までの道のりもしっかりと覚えておく必要があります。

今回は、買い物援助中に起きた出来事について書きます。

巨大な団地暮らしの高齢者夫婦

同じ建物が何棟も並んでいる、大きな団地内に居住する高齢者夫婦の訪問の初回援助時のことです。

いつものように地図を片手に自転車を走らせ、利用者宅付近まで来ましたが、巨大な団地内で目印になるものもなく、団地の横に記載されている数字だけを頼りに探し続け、何とか時間前に利用者宅に到着することができました。

初回訪問でしたので、夫婦と打ち解けるきっかけになればと思い、この団地の中に入ってから迷った話を笑いながらすることで、お互いの緊張をほぐす雰囲気作りに努めました。

ここでの支援は、在宅酸素の夫に対する入浴介助と買い物援助です。

買い物中に、何故私の名前が?

無事に入浴介助を終えた後、妻から買い物依頼がありました。

もちろん、通常買い物をするスーパーは、事前に確認をしていましたが、その日に限って、いつも行くスーパーが臨時休業とのことで、遠方にある別のスーパーまで行くことになりました。

団地内でも迷ったことをすでに伝えていた私でしたから、その店の場所を口頭で説明しはじめた夫婦の目に、私がその場所をしっかり理解できていないと映ったのでしょう。

早々に説明を切り上げ、その店までの地図をわかりやすく書いて下さったのです。

そのおかげで私は迷うことなくそのスーパーまでたどり着き、そのまま買い物を始めました。

すると、スーパーの館内放送で、いきなり私の名前が呼ばれたのです!!

何故、急に私の名前が呼ばれたのか理由もわからないまま、事務所に声をかけたところ、自宅で待つ利用者が、無事に私がスーパーにたどりつけたかどうか心配で、確認の電話を入れたことがわかりました。

まとめ

買い物から戻った私を、夫婦はとてもうれしそうに迎えて下さったことを今でも覚えています。

日頃から、援助を受けるという受け身の立場でしかなかったこの夫婦にとって、私のために一生懸命自分達にできる支援を考え、実行したことで満足されたのだと感じました。

ヘルパーとして、与えられた援助を完璧にこなすことも大切なことなのでしょうが、利用者自身が支援をされていると思わないような支援をすることも、利用者の自立支援にとって大切なことかもしれませんね。

介護をするはずが…入浴介助で利用者が不安を感じた理由

介護において、援助する側はどんなに経験が浅くても、自信がなくてもそれを利用者の前で出さないことが基本です。

それは、利用者が不安になりスムーズな支援ができなくなることがあるからです。

ただ、どんなに安心して利用者に支援を受けてもらおうと冷静に対応しても、自分にはどうすることもできない理由で、支援が思うようにいかないこともあります。

今回は、利用者が不安を感じてしまった時の話です。

先輩ヘルパーから引き継いだ入浴介助

脳梗塞で右半身に麻痺の残る60歳代独居の女性の援助を担当することになりました。

身長165㎝、体重80kg以上という大柄な方ですが、室内補装具を装着すれば杖使用によりほぼ自立した生活ができていました。

その当時、私が行う支援内容は、自宅での入浴介助のみ。

入浴は、本人の生活の中の一番の楽しみとのことで、いつもヘルパーの訪問を心待ちにしているとのことでした。

先輩ヘルパーから入浴介助の方法を引き継ぐことになり、初めて利用者宅へ同行訪問しました。

室内や浴室の環境整備はしっかりとできていたので、本人のできる動きは自分でやっていただきながら、段差のある浴室への出入りや浴槽内の出入りの一部介助、自分では届かない部分の洗身介助など、一連の流れを確認し、次回訪問する旨を伝えたあと、職場に戻りました。

「あなたで本当に大丈夫なの?」

いよいよ援助日を迎え、訪問しようとしていた私に、本人から「今日は体調が良くないので入浴はキャンセルします。」との電話連絡が入ったのです。

普段、よほどの体調不良でなければ入浴を中止することがないため、様子確認のため訪問をし、じっくりと話を聞く時間を持ちました。

そこで、何故今回入浴をキャンセルしたかという理由が明らかになったのです。

私は彼女から見ると、とても身体が小さく、また体力がないように見えて、「介助されるのが不安になった」とのことでした。

その後、じっくりと話をする中で、まずは1度介助を受けてみて、それでも不安が消えないようであれば、担当を交代するということで、了解を得ることができました。

まとめ

介護をする側、受ける側で体格差が大きい場合は、今回のように介護を受ける側の不安が大きくなることもあります。

また一方で、介護する側も介護するにあたり、その体格差や介護の方法に、不安や危険が伴う場合もあるため、十分自分で納得をした上で援助を行うことが大切です。

今回の利用者は、新しい担当者との間でコミュニケーションがまだ十分に取れていなかったことも重なり、より不安が大きくなったのだと痛感しました。

介護には、信頼関係の構築も非常に重要です。

その後の利用者はというと、試しの介助を行った後に一言。「あんた小さいけれど、結構力があるね!」と、援助のお許しが出たので、無事に援助開始となりました。

公務員ヘルパーの支援内容は家事とは別物

念願の公務員ヘルパーとなった私は、すぐにヘルパーとして在宅での訪問援助を始めました。偶然の連続で介護の道へと進みますが、公務員ヘルパーになるまでの道のりは前回の記事をご覧ください。

kaigoshi-real.hatenablog.jp

主婦業とは大違い!?

主婦として家庭の中のことは、日常的に行っていたものの、他人の家に入り、介護や家事支援をすることなどなかった私にとっては、何もかもが初めての経験でした。研修で学んだ通りに、すぐにうまくいくはずがありませんでした。

しかし、様々な失敗を繰り返しながら、経験を積んできた時代を少し振り返りたいと思います。

80代の高齢者夫婦の援助

最初に担当した利用者の中に、アパート1階に居住する80代の高齢者夫婦がいました。妻は、ほぼ寝たきり状態で、高齢の夫とヘルパーの支援がないと生活が成り立たない状況の方でした。

当時は、介護保険制度がスタートする前でしたので、今のようにケアマネージャーが利用者の細かいアセスメントをし、自立支援を意識した作成されたケアプランがあったわけではなく、必要と考える援助内容を継続していました。

緊張とプレッシャーの中での援助

80代の高齢者夫婦の家庭では、毎回寝たきりの妻の身体を拭き、着替えの介助をした後に洗濯と食事作りを行う、という内容が長期に渡り行われていました。本来であれば、援助そのものは決して大変なものではなかったのですが、緊張と限られた時間の中で行うというプレッシャーがあったのかもしれません。

身体を拭いたタオルや使用した用具の片づけをしながら、着替えた衣服の洗濯しながら、食事の支度ながらと、二つ以上の事を同時進行で行おうとするけれど、頭の中は真っ白状態でした。

寝たきりのはずの利用者が歩いた!

妻が寝ているのだから、静かに援助しなければと思えば思うほど、洗濯物を入れたかごをひっくり返したり、お鍋のふたは落としたり、もう散々な状態。

その時です…すっかり動揺している私のうしろで

「こんなにバタバタしていたら、心配で寝てもいられないよ」

と、声が聞こえました。

うしろを振り返ると、部屋で寝たきりのはずの妻が台所まで一生懸命、壁や家具につかまりながら歩いてきていたのです。

ほぼ、寝たきりだったはずの妻が介助なしで歩いてくるとは、とても驚いたことを今でも覚えています。

利用者に変化が…

職場に戻った私は、自分のしてきた援助の情けなさに落ちこみ、その旨を上司に報告をしました。しかし、上司は…

「長年関わってきた自分達が、この利用者はもう介助なしには歩けないと思いこんでいたのよ。この利用者にとって良い支援をしたね。」

と一言。自信を無くしかけていた私は、この上司の一言に救われました。

ちなみに、それ以降この利用者は、毎回訪問時にはベットから離床し、台所の椅子に座り、一緒に食事の味見などをするようにまで変化したのです。

まとめ

転職をして、介護の仕事を始めたばかりだったので、まだまだ自分の援助に自信が持てなかった時の出来事ですが、このような経験は誰にでもあるのではないでしょうか?同じような思いをした方も結構いると思います。

私は上司の一言に救われて、その後も介護の世界で働き続けましたが、働き続けることができて良かったと、今でも思います。

介護の資格を専業主婦が取得した

平成12年の介護保険制度がスタートしてから「介護」という言葉が一般的にも広まりました。

それ以前、私が公務員ヘルパーとして利用者の自宅を訪問し、障がい者や高齢者の支援(身体介護や家事支援)を始めた頃には、ホームヘルパーという言葉さえ世間にはまだ周知されていませんでした。

一専業主婦だった私が、ホームヘルパーの資格取得を機に、様々な福祉職を経験しながら、20年以上経った今日に至るまで、継続して仕事をすることになるとは、誰も想像していなかったと思います。はじめに、ヘルパーの道を選んだのか?について紹介します。

何故ヘルパーの資格を取り、ヘルパーの道に進んだのか?

ホームヘルパー研修を受けようと決めた頃の私は、ちょうど子ども達の育児に追われる多忙な日々を過ごしていました。そんな時に、偶然、都道府県の広報紙で、ホームヘルパー資格取得のための研修があることを知りました。当時、ホームヘルパーという資格があることさえ知らなかった私でしたが、何故かこの研修内容に強い関心を持ち、すぐに実家の母に相談をしたことを今でもはっきりと覚えています。

「こんな幼い子ども達がいるのに、何故今なのか。子どもの手が離れてから受講しても遅くはないはず」と反対されましたが、半ば強引に説得を重ね、最終的に母の協力を得ながら、何とか無事に資格を取得することができました。

資格を取得してから仕事に就くまで

資格を取得後、すぐにその仕事に就ける状況ではありませんでしたし、今のように訪問介護事業所の求人等も多くあるわけではなかったため、まわりの友人達からも「あんなに大変な思いをして資格をとって、何がしたかったのか」と笑われたりもしました。

ところが、そのわずか1年後、事情により突然離婚をすることが決まり、幼い子ども達を女手ひとつで育てていかなくてはならない状況に陥ったのです。精神的にも肉体的にもどん底状態でしたが、目の前で無邪気に遊ぶ子ども達のことを考えると、明日からの生活をすぐにでも考えなくてはならない現状がそこにありました。もちろん、幼い子どもを抱えた母親が仕事を探すと言っても、そう簡単には見つかるわけもありません。この先、どうしたらいいのかと悩んでいた矢先、市区町村の広報紙に掲載されている公務員ヘルパー募集の記事を見つけたのです!

念願の「公務員ヘルパー」の道へ

こんな偶然なタイミングがあるのかと、思わず目を疑いました。その後、公務員試験を受け採用が決まった私は、ヘルパー業務をきっかけとして、その先に続く長い介護の道へと足を踏み入れることになりました。今振り返ってみても、あの時にヘルパーの資格を取得していなかったら、恐らく今の私はなかったと思います。それ以来、自分がやりたいと思ったことは、可能な限りその時にやっておこうと心に決めて生きています。

まとめ

こんな私ですが、介護職の真実や裏事情などもぶっちゃけた体験談を書いていきたいと思います。介護業界で働いてる方、介護職に興味を持っている方にとって、お役に立てたらいいなと思います。

メインライターさんの紹介

「介護士のリアル」へのご訪問ありがとうございます。このページでは、当ブログで執筆をしているメインライターさんを紹介しております。

向日葵さん

専業主婦でしたが、ホームヘルパーの資格取得を機に介護・福祉の世界へどっぷりと20年以上も浸かっていました。そんな私の体験談をメインに書いていきます。

私が介護職についたきっかけは、都道府県が発行している広報誌に、ホームヘルパーの資格を取得するための研修があることを知り、強い興味を持ったからです。
小さなきっかけでしたが、20年以上も介護・福祉系に携わっていた実績があるので、もしかしたらこのブログが誰かのきっかけになり、介護・福祉の世界が豊かになることを願っております。

取得資格資格種類
介護福祉士 国家資格
社会福祉主事 任用資格
福祉住環境コーディネーター 民間資格
主任介護支援専門員(介護支援専門員) 認定資格

ぴよこさん

おじいちゃんとおばあちゃんのお友達が多いぴよこさん。主婦ライターとして、ライター歴10年以上。主に、転職に関する記事の執筆をお願いしています。えくぼが可愛い40代。

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