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介護士のリアル

介護士を応援したくて始めたブログで、介護の現場に関するリアルな情報提供をコンセプトにしています。メインライターは介護福祉士の資格を持つ介護業界20年以上のキャリアを持つ向日葵さん。仕事で悩んだ時の介護士さんのサプリになるよう体験談も掲載しています。

訪問介護の現場で活躍する男性ヘルパー

介護保険が開始された1年後、私はケアマネージャー業務に専念したいという理由から、公的機関を退職し民間の居宅介護支援事業所に転職しました。

転職後は、利用者支援を通して、様々なサービス事業所やその現場で働く介護職、医療職の皆さんとの関わりが始まりました。

介護職の現実

介護の現場は、精神的にも肉体的にも本当に大変ですが、それに代えられないくらい貴重な経験ができる場でもあると常に感じていました。

しかし、介護職の方の中には、どんなに良い職場であると思っていても、またやりがいがあると仕事で感じていながらも、やむを得ない事情から離職せざるを得ない現実もあったのです。

それまで、公的な機関で守られて働いてきた私にとって、民間のサービス事業所の厳しさや、そこで働く人達の苦労を実感する日々でもありました。

そんな介護の現場で働く人達との交流やエピソードを今回お話できればと思います。

ケアマネとして初回訪問

10年以上自宅で、妻が介護をしている85歳男性(要介護5)利用者のケアマネを担当することになり、初回訪問しました。

介護保険制度が始まって間もない頃で、それまでサービスの利用を受けたこともなく、他人を自宅に入れるのは本当に久しぶりと妻の言葉。

畳の部屋には、薄い布団が敷かれ、そこに寝ていた利用者である夫の姿を見て、思わずびっくり!

髪の毛は固く鳥の巣のようになり、顔も手足も墨を塗られたかのようにすすけて、顔色も確認ができないほど。

また、手足の爪に至っては、魔女の爪のように数センチ近くも伸びきっていました。

寝たきり状態になってから医者にかかることもなく、妻の自己流の介護で、ひどい床ずれも治してきたとのことでしたが、介護もすでに限界に達していました。

ヘルパーを入れて、夫の介護の支援をすることができると伝えたところ「男性のヘルパーがいるならお願いしたい!」と。

このタイミングを逃してはと、すぐに男性ヘルパーを依頼。

本人の素顔が見られた!

長年、他人を受け入れることなく生活してきた夫婦だけに、強引に援助を行うことはせず、少しずつ時間をかけながら、納得した上でケアをしていくことを決めました。

前職で、施設の介護員をしていたベテラン男性ヘルパーの、適切な声かけや援助への誘導のお蔭で、1ヶ月後には本人の色白の素顔を見ることができました。

要介護5で寝たきりの利用者は、この男性ヘルパーの介助により立ち上がり、つかまり歩行ができることが確認できました。

恐らく誰もが、寝たきりであると信じ込み、本人の能力をしっかり見抜くことができなかったと、私自身も貴重な勉強をさせてもらいました。

まとめ

その後も、車いす介助で理容院に行き、外科で爪を切ってもらい、驚くほど本人の状態が改善され、妻の笑顔も見られるようになったので、利用者にとって良い援助が出来たのではないかと思っています。