介護士のリアル

介護士を応援したくて始めたブログで、介護の現場に関するリアルな情報提供をコンセプトにしています。メインライターは介護福祉士の資格を持つ介護業界20年以上のキャリアを持つ向日葵さん。仕事で悩んだ時の介護士さんのサプリになるよう体験談も掲載しています。

通所介護を拒否する元看護師80代の独居女性が通所介護を楽しめた理由

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介護保険スタート以降は混乱が続いていたものの、しばらくすると自宅に訪問するサービスだけでなく、デイサービスやデイケアなど、通所系のサービスの需要も増えました。

通所系のサービスは、利用者本人への支援であると同時に、介護者の負担の軽減にもなると考えられ、ケアマネの作成するプランに組みこむことが多くなっています。

それぞれの通所施設も「うちの施設にはこんな特徴がある!」という強みがあり、その情報や利用者の状況、希望等をもとに、施設選びをしています。

しかし、どんなに利用者のために通所サービスが必要であると考えても、通所の利用自体に消極的だったり、頑なに拒否をする利用者もいるため、非常に苦労することがあります。

「通所介護は私が通う場所ではないわ」

看護師として、長年大学病院に勤めていた80代の独居女性。ここ数年間、外出する機会が減り、認知症の診断を受けてから、さらに自宅に閉じこもりがちの生活になっていて心配だと、別居の娘さんから相談がありました。

本人は、長年看護師として活躍していたことが自慢で、訪問の度に看護師時代の話をしてくれました。

本人自身、日常の生活に何の不安も感じていませんでしたが、常時敷きっぱなしの布団の上で、日中も寝たり起きたりの生活が続いていました。

本人が、日中活動的な生活をすることを目標に、デイサービスの利用を本人に提案しましたが「私が通う場所ではないわ」と拒否。

80代の元ベテラン看護師が出勤?!

そこで、利用予定のデイサービスの相談員と一緒に自宅を訪問した際、「うちの施設で看護師として働いてもらえないでしょうか?送り迎えも昼食もつきます。」と、相談員から話をきり出しました。

すると、今まで関心さえ示さなかった本人が「送り迎えがあるなら、働いてもいいわよ。」と即答!それを機に、本人の送迎つきの出勤がスタートしました。

元看護師の母からの嬉しい報告

「私、時々働きに出かけてるの。そこで血圧を測ったり、色々と病気の相談にのったりしてね。忙しいけれど、病院まではちゃんと送り迎えがしてくれるから心配いらないわ。」

娘さんからかかってきた電話に、うれしそうに話をしていました。

まとめ

本人にとっては、デイサービスに通っているという認識はなく、毎回看護師として、楽しそうに職員や他の利用者と交流する姿がそこにはありました。

また、そこには職員の皆さんが自分達の血圧を測ってもらったり、健康のことや病気のことを質問したりなど、楽しく過ごせるよう細かい対応がありました。

そのことにより、毎回休むことなく通い続けられ、結果として本人の意欲の向上にもつながっていったのです。通所の職員の皆さんの演技力と、何とか利用につなげたいという意気込みに、頭が下がりました。