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介護士のリアル

介護士の役に立ちたい!

ショートステイ(短期入所生活介護)を外出が楽しみな87歳の女性に提案

体験談

在宅サービスの中に、ショートステイという短期の期間、入所ができるサービスがあります。

一般的にショートステイ(短期入所生活介護)は、介護者の病気や外出等の緊急な理由で利用したり、介護負担の軽減や休養を図る目的でプランに組み込むことが多いと思います。

しかし、私はこういった介護者側の理由だけでなく、利用者のためになる違う目的からショートステイ(短期入所生活介護)を利用することも多々ありました。

外出が困難な87歳女性

1戸建て住宅に住む87歳女性、長女と1軒家で暮らしていたケースもその一例です。

自宅で転倒し骨折、その後下半身麻痺となり、自宅内での生活を余儀なくされていた方でした。

室内は、住宅改修や福祉用具の活用により、車椅子を使用しながら、ベットから離れた生活ができるまでに改善していました。

しかし、室内から玄関に出るまでの長い廊下の狭さと、玄関から外に出るまでの間の厳しい段差や階段等の問題が、定期的な外出を困難にさせていました。

もともと外出することが、唯一の楽しみでしたので、何とか外出の機会を作ってあげたいと、同居の娘さんや住宅改修業者間で、何度も検討を重ねましたが、なかなか結論が出ないまま時が過ぎていきました。

そんな中、季節が移り変わり桜の開花の時期が近づいてきました。

「桜の花を見せたい!」ショートステイを提案

本人に、何とか大好きな桜を見せてあげる方法はないかという、娘さんや在宅でのサービス担当者の強い思いから、ショートステイ(短期入所生活介護)をケアプランに入れました。

ショートステイ(短期入所生活介護)に入所する日には、遠方に住む2人のお孫さんの力も借りることができ、安全に本人を自宅から出す手段を確保した上で、無事2泊3日のショートの利用が可能となったのです。

そして、利用者はショートステイ(短期入所生活介護)に入所中、施設周辺に咲く満開を迎えた桜を本当に満足そうに眺めていました。

その後も、つつじや紫陽花の咲く時期に合わせ、まわりの力を借りながら、ショートステイ(短期入所生活介護)を利用し大好きな花を見ることができたのです。

ショートで働く介護職員の皆さんにも、自宅での本人の状況を伝えていただけに、こうした思いをしっかり受け止め、対応していただきました。

まとめ

その後、間もなく他の病気が見つかり、翌年の桜の花を見ることなく、自宅で最期を迎えました。

自宅には、大好きな花に囲まれて嬉しそうに笑う本人の写真が飾られていました。

桜の咲く季節は、1年のうちのほんのわずかな時期。

あの日に見た桜、この利用者はどのような思いを寄せたのでしょうか。

毎年桜の花が咲くたびに、一緒に桜を見たたくさんの利用者の事を懐かしく思い出します。