介護士のリアル

介護士を応援したくて始めたブログで、介護の現場に関するリアルな情報提供をコンセプトにしています。メインライターは介護福祉士の資格を持つ介護業界20年以上のキャリアを持つ向日葵さん。仕事で悩んだ時の介護士さんのサプリになるよう体験談も掲載しています。

特養で働くケアマネの役割

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ケアマネの働く場所は様々ですが、ここでは特養で働くケアマネの役割についてお話したいと思います。特養に入所した人にも、利用者の望む暮らしがあることを知ってほしいと思います。

特養で働くなら特養がどんな施設か知ろう

特養施設というと、一般的には、身体上または精神上著しい障害があり、常時介護を必要とし、自宅での介護が困難な利用者が対象とされています。

料金的にも特養は、介護保険の適用により、他の施設より安く抑えられているため、申請してもすぐに入ることは難しく、待機待ちの状態が続いています。(地域にもよりますが)

そのために、以前は介護認定で要介護1以上の認定を受けている方が対象でしたが、2015年4月からは、要介護3以上の方が対象と変更されました。

特養は「終の棲家」というイメージが強い施設でもあります。

特養で働くケアマネは、どのような仕事をするの?

特養のケアマネは、施設に入所している多くの利用者のケアプランを作成し、関係者と連携を取り合いながらケアを展開していきます。

もちろん特養でも、個々の利用者の自立支援を意識したプラン作成が求められます。

利用者にとって必要なサービスが不足したり、逆に過剰なサービスが提供されないよう、利用者の立場にたった支援をしていく必要があります。

施設入所をした利用者本人と、家族の思いを受け止めて・・・

私が居宅のケアマネ時代に担当したである高齢者夫婦の話です。

要介護5の認知症の夫(90歳)を妻(82歳)が、在宅サービスを受けながら、長年自宅で介護をしていました。

子どもはなく、介護者の妻も体調面での不安を抱えていたため、数年前から時間をかけて妻と話し合いを重ね、当時、数年待ちとも言われていた特養の申請だけは、行なっていました。

夫は高齢ではありましたが、体力もあり自力で歩くことができたため、1日の大半を歩きまわって過ごしていました。目を離すと、屋外にも出て行ってしまう状態。

もちろん、日中だけでなく夜間にも起き出すことがあったため、日中の活動量を増やしたり、規則正しい生活リズムを整えるために、通所利用回数やショート利用を増やすなど色々な支援を試みました。

関係者からは、夫婦ふたりだけの在宅生活は、既に限界なのではないかという話も出ていました。

しかし、夫を最期まで自宅で介護したいという妻の強い気持ちは、なかなか揺るぎませんでした。必死で世話をする妻も、自分自身の膝の状態の悪化により、夫の徘徊に対応するのが厳しくなり、自力で歩くことさえままならない状態になったのです。

その後、妻は断腸の思いで夫の特養入所を受け入れたのです。

まとめ

同じ施設で暮らし、同じ施設の生活リズムの中であっても、入所する利用者の状況、その家族の状況は様々です。ましてやこの夫婦のように、最後まで自宅での生活を望みながらも、それが叶わなかった利用者も入居しているのです。

施設ケアマネは、こうした利用者や家族の施設入所に至るまでの思いも、しっかりと受け止め、利用者ひとりひとりの意思や人格を尊重したケアマネジメントを進めていくことが大切です。