担当している利用者に訪問看護が必要だと思うことがあるかと思います。ここでは、在宅医療面を支援する訪問看護をケアマネの関係性、そして私自身が父親を自宅で看取りした経験をお話します。
利用者に訪問看護のサービスが必要と思ったら・・・
ケアマネが利用者の支援に訪問看護のサービスを導入する際には、まずはその利用者の主治医に必要性を確認してから、プランの中に組み込む必要があります。
ケアマネ独自の判断、または利用者や家族の意向だけで、勝手に訪問看護を入れることはできません。
最近では、在宅にも医療依存度の高い利用者が増えてきており、訪問看護の需要も高くなってきています。
終末期を住み慣れた自宅でと願っても・・・
昔の日本では、2世代、3世代で暮らす家族が多く、自分の祖父母を自宅での看取ったという人もきっと多かったと思います。
しかし最近では、高齢者も単身生活をしていたり、高齢者のみの世帯、また子ども世帯も核家族で暮らし、共働きの家庭も増えている現状があります。
そんな中、自宅で最期まで生活していきたいと願っても、なかなかそれが厳しい状況になっています。
自宅で看取りをするために
数年前になりますが、私は自分の父親の自宅での看取りを経験しました。
もともと遠方で、高齢の両親ふたりだけで生活をしていましたので、父親の病状が悪化し、寝たきりになった時点で病院に入院をさせることも考えていました。
しかし元気な頃から、父親は「最後までこの家で暮らしたい」という強く意向があり、何とか家族の介護と必要なサービスをを入れながら自宅療養をすることになったのです。
そのために、両親のケアマネと何度も話し合いを重ね、自宅で看取りのプランが立てられました。
看取りを終えて・・・
私自身も、ケアマネとして仕事の中で、多くの利用者を自宅で看取りを支援してきました。時に泣いたり、笑ったり、ひとりひとりの様々な終末期に出会いました。
しかし自分がいざ家族として、看取りを行うことになり、初めて気づかされたことも多くありました。
利用者はもちろん、介護する家族も、本当に不安な毎日を過ごす終末期のこの時期に、主治医の存在はもちろん、毎日訪問してくれる訪問看護、頻繁に様子を見に来てくれるケアマネの存在がどんなに大きかったことか。
必要なサービスを提供することはもちろんですが、それ以上に利用者、家族の気持ちに寄り添うということが、心の支えになることを実感しました。
まとめ
高齢者が増えるとともに、病院から自宅へと戻る医療ニーズの高い利用者が増えてきています。その中で、自宅での医療を支える主治医や訪問看護の役割は、今後も非常に大きくなります。
そして、その医療関係者と家族やサービスをつなぐ役割として、ケアマネの存在も重要な役割を担っていくことになります。
医療依存度の高い利用者が、ひとりでも多く自宅で安心して療養生活ができるよう、ケアマネとして何ができるかをゆっくりと考えてみることも大切です。