介護士のリアル

介護士を応援したくて始めたブログで、介護の現場に関するリアルな情報提供をコンセプトにしています。メインライターは介護福祉士の資格を持つ介護業界20年以上のキャリアを持つ向日葵さん。仕事で悩んだ時の介護士さんのサプリになるよう体験談も掲載しています。

住宅改修におけるケアマネの役割を解説 ※ 80代の単身利用者を担当した体験談

介護保険サービスの住宅改修の知識はケアマネにとって必要です。住宅改修の知識と住宅改修におけるケアマネの役割について説明したいと思います。

介護保険の住宅改修とは何?

住宅改修は、介護保険の中のサービスで、手すりの取り付け、段差解消など所定の改修工事を行った時に、原則1人につき1回20万円までを支給するサービスです。かかった費用の1割(一部2割)が自己負担となります。

ケアマネは、改修が必要な利用者に、住宅改修の必要性を伝えます。そして必要に応じ、住宅改修の業者の選定、利用者宅に同行し現場を確認するとともに、本人の状態や希望の改修場所等を伝え、改修図面や見積もりを依頼します。

その後利用者の承諾を受けて、その後の改修に向けた一連の書類作成や手続き等を行います。

こんなに手すりが必要なの?

80代の単身の利用者の手すりの設置に際し、本人が希望をする業者にお願いすることになり、担当者とともに同行訪問をした時の話です。

もともと本人の自宅を建てた知り合いの業者だったため、自宅内の状況は十分に把握できていましたが、介護保険での住宅改修は初めてとのこと。

いざ手すりの設置の話になると、工事を請け負う担当者は、本人が希望する箇所全てに手すりをつけようとしたのです。本人にとって、手すりは確かに必要な状態ではありましたが、手すりをつける本来の意味までは担当者には、理解できていませんでした。

手すりも含めた住宅改修や福祉用具の利用には、事故の予防につながり自立を向上させるメリットがある一方で、過剰すぎると、逆に本人の自立を妨げてしまうこともあることもあると伝えました。

本人の生活スタイルを守るために・・・

60代後半で、脳梗塞を発症し右麻痺の後遺症が残った女性の話です。

本人は、病院で在宅復帰を目指し、懸命なリハビリを重ねるとともに、退院後のサービス利用のために介護保険を申請。その後、依頼を受けて、彼女のケアマネを引き受けることになりました。

まずは退院するにあたり、彼女の自宅の環境整備から検討が始まったのです。元気な時には気にもならなかった室内屋外の段差等も、退院するにあたり、どうしても住宅改修が必要な状況。そこで、自宅の現場を確認し、住宅改修の検討をするため、一時外出をした本人と夫、理学療法士、ケアマネ、住宅改修業者と関係者が集まりました。

今回は、本人のリハビリ担当する理学療法士が同席したため、本人の身体の状態や移動の動線に合わせ、必要な改修個所を確認。 そこで一番問題だったのが、本人の寝室が2階であるということでした。

本人以外は、その急な階段を見てすぐに、1階の客間を寝室に変更することを提案。しかし本人の強い意向もあり、階段に手すりをつけて寝室をそのまま利用することとなったのです。

その後、病院に戻った彼女のリハビリ内容には、階段昇降の項目が追加され、退院後には夫の見守りの中、寝室の行き来が可能となったのです。

まとめ

利用者の在宅を支える上で、自宅内外の環境整備は非常に大切です。

現在は住宅改修をする事業所も、専門的な知識だけでなく、介護保険で行う住宅改修の流れも把握しているため、全て任せておけば安心と思うかもしれません。

しかし、本人の心身の状況や在宅の様子を一番知っているのはケアマネです。本人の自立を支援するために、適切な環境を整備するという意識はしっかり持っていましょう。