グループホームの中で利用者ができることを考えるためには、グループホームについて詳しくなる必要があります。グループホームの知識をつけたいケアマネの方のお役に立てれば嬉しいです。私が担当した利用者さんの話も載せています。
グループホームは、ほかの施設とどこが違うの?
グループホームは「認知症生活介護」と言われ、介護保険の中で、施設サービスではなく在宅サービスに位置付けられています。
しかし在宅に位置付けられていても、そこに入所する利用者のプランは、居宅介護支援事業所のケアマネではなく、グループホーム内の計画作成担当者により作成されます。
認知症高齢者が、安全な環境の中で、安心して暮らすことができる、より自宅に近い雰囲気の中で日常生活を送ることを目標としています。
グループホームには、どんな認知症状の利用者がいるの?
グループホームは、最大9人という少数ユニットのため、他の施設に比べて家庭的な雰囲気があります。また「認知症生活介護」という名前の通り、認知症状のある利用者が入居します。
ひとつ屋根の下で利用者の残された機能を活用して、スタッフともに共同で生活をするため、どちらかというと、見守りや助言があれば自立が可能な人が入居の条件になっているようです。
得意な家事ができなくなる
以前に、私が担当した80代の男性利用者の話です。
団地で長年単身生活をしていましたが、妻を早くに亡くしたため、家事が得意で、買い物、炊事、洗濯等積極的に行っていました。 しかし、その利用者の生活に少しずつ変化が見られるようになっていったのです。
買い物に行くと、代金を支払ったのにまた支払おうとする、鍋は毎回焦がして使用できなくなる、洗濯機は洗剤を何度も入れてしまうため、洗濯機内が毎回泡で一杯になるなど、日常生活に支障が出始めました。
その後別居の家族に病院受診をお願いし、検査の結果、脳血管性認知症と診断されたのです。
グループホームに入所し、得意な家事が復活!
その後この利用者は、在宅での単身生活が難しくなり、話し合いの結果、グループホームに入居となりました。
グループホーム入居後、この利用者は、介護スタッフや他の利用者とともに、得意な料理を一緒にしたり、洗濯を役割として行うことで、症状が進行せず安定した生活が継続できたのです。
まとめ
認知症だから、危ないからあれもしてはダメ、これもダメと言わざるを得ない環境が、逆に症状を悪化させることも多いです。
グループホームの中で、ケアマネは、本人のできること、やればまだできそうなことなどをしっかりと把握しましょう。 そして、家事などの生活リハビリを行いながら、安全な場所で少しでも自立した生活ができるようなプラン作成に心がけていくことが大切です。