介護士のリアル

介護士を応援したくて始めたブログで、介護の現場に関するリアルな情報提供をコンセプトにしています。メインライターは介護福祉士の資格を持つ介護業界20年以上のキャリアを持つ向日葵さん。仕事で悩んだ時の介護士さんのサプリになるよう体験談も掲載しています。

【第2回】介護支援の存在について両親から教わったこと | 介護士の私が自分の親の介護を通して思うこと

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住み慣れた地域で、また住み慣れた我が家でいつまでも暮らしたいという利用者の希望を叶えるために、必要な介護サービスが検討され、サービスが提供されます。しかし誰でもが自分の家に、支援ための人が入ることを喜んでいる訳ではありません。

独居や高齢者のみ世帯も多くなり、介護の手がなければ、生活がスムーズにまわっていかないような状況になっても「自分でできるから大丈夫」と受け入れない場合もあるのです。

実際に私の両親の場合もそうでした。

あの人が来る前に・・・

父が吐血をし、入院したのは、今から2年前のこと。

検査の結果、末期がんの診断を受けましたが、80代後半という高齢でもあること、また何より本人が自宅に戻りたい希望が強かったため、在宅で看取ることを決めました。それまでも、長年夫婦だけの生活でしたので、妻の支援を受けながら、父も何とか自分のことは自分で行っていました。

退院後には、病状の進行と入院による身体機能の低下もあり、すぐに訪問介護や訪問看護のサービスが入ることになったのです。

援助が来る前に痛むからだを動かして家事をする母

両親には、病名は伝えていませんでしたので、なぜ退院後、たくさんの人が家を訪れるようになったのかが、なかなか理解できなかったようです。

そう言えば以前、母親が体調を崩した時に、一時期ヘルパーさんに来てもらい、家事支援をお願いしたことがありました。その時も、ヘルパーさんが来るのに、こんなに汚くしてたら失礼だからと、痛む身体を動かしながら、援助前に家事を終え、待っているような母親でした。

今回は、父を介護するためのヘルパーさんであることを伝えたところ、母も「私ではおじいちゃんをトイレに連れていったり、下の世話まではできないから」と納得していました。

援助が来る前に部屋を整理する父

しかし、いざ毎朝ヘルパーさんの援助がスタートすると、やはり母だけではなく、本人である父の方にも変化が見られ始めました。

ヘルパーさんの援助前に、部屋の中の整理はもちろん、援助に使用する用具等の場所をあらかじめ決めておいても、来る前に母が出して用意しておく。また、ヘルパーさんの援助後にするはずだった食事も、先に食事を済ませて待っているなど・・・自分達でどんどん先走りをするため、逆に疲れてしまったようでした。

まとめ

父は退院後、しばらく状態も落ち着いていたため、両親の精神的な負担を考慮し、サービスを少しずつ減らし、別居の家族が交代で支援をしていくことになりました。

支援されることにより、利用者や家族の生活が改善されると思いがちですが、中には「その支援が逆に負担やストレスになることもある」のだと考えさせられました。