仕事と育児を両立させながら働いている女性は、介護職に限らず一般的にも多くいることでしょう。そんな多忙な毎日の中で、どうしても自分の事は後回しにしてしまうことがあるのではないでしょうか?
特に介護の現場は、人手不足のために、なかなか体調が悪くてもそれを言えず、つい頑張ってしまうことも多いと思います。
私自身も若い頃には、仕事や子育てを優先し、自覚症状がありながらも働き続け、結果として病気を悪化させ、周りに迷惑をかけてしまったこともありました。
しかし、その頑張りが実は取返しのつかないことになることを私は大切な友人から学んだのです。
忘れられない友人
長年福祉の仕事をしている中で、私にとって忘れられない友人がいます。彼女は長年施設の相談員として働き、利用者、家族、関係機関との連絡調整等を行っていました。
私は在宅、彼女は施設とそれぞれに働く場は違いましたが、お互いに子育てと仕事を両立する仲間として、たまに会うと色々な話をしていました。彼女は、仕事にも子育てに関しても、とにかく一生懸命な女性で、いつもバイクで忙しく飛び回っていました。
変化
そしてある時期を境にして、元気の源のようなふっくらとしていた彼女が、どんどん痩せていったのです。当時まだ30代でしたので、「痩せること=病気」とは結びつかず、食事量を減らしているという彼女の話をそのまま受け止めていた私。
しかし、しばらくすると彼女から、おなかの調子が悪く、今度検査をすることになったと聞いたのです。少し仕事を休むよう勧めましたが「今やっている仕事は私にしかできないから休めない・・・」と。
それから半年後、彼女は子供達を残してこの世を去ることになりました。
「母親の代わりは自分しかいない」
葬儀のあとに、彼女の母親から「検査で大きな病気が見つかって、すぐに入院となってもずっと仕事のことばかり心配していた。」と聞きました。
最終的には自宅で最期を迎えましたが、家で子供達と過ごす日々の中で「仕事には、私の代わりはいくらでもいた。でも母親の代わりはいない。」と気持ちに変化が見られたようです。
まとめ
「健康に気をつけて、決して自分が負えないほどの無理はしない」と、あの日の彼女を思い出しては、今も心に言い聞かせています。