介護の仕事をしていても「軽費老人ホーム」って聞きなれない方が多いと思います。ここでは、軽費老人ホームがどんな施設なのか、介護士はどんな仕事をするのか、他の施設との違いについて紹介します。
軽費老人ホームとはどんな施設なの?
軽費老人ホームは、身寄りのない高齢者や、家庭の事情により家族と同居できない高齢者を対象にした施設です。あくまでも高齢者が自分で生活していくことが基本のため、介護の必要がない比較的軽度の高齢者を対象にした施設です。
軽費老人ホームには、A型、B型、C型の3種類に分かれています。
軽費老人ホームでは、どんな仕事をするの?
基本軽費老人ホームには、介護レベルの高い高齢者の入居はないため、介護業務はほとんどなく、見守りや管理的な業務が中心となります。
しかし、A型、B型、C型の3種類の施設ごとに対象者役割等も違うため、自分が働こうとする場合には、そのホームがどの種類のホームに該当するのかを確認しておく必要があるでしょう。
[体験談] 軽費老人ホームにぎりぎり入所できた!
私がケアマネ時代に担当していた利用者です。
結婚歴なく、身寄りも既にない要支援の認定を受けた80代前半の女性。少しずつ、認知症の症状が出始め、独居の生活に支障が出始めていました。
その女性は、長年古い長屋に借家住まいをしていましたが、建物の老朽化により立ち退きを迫られていました。本来であれば、生活保護の対象に該当するような経済状態でしたが、本人の強い拒否により、わずかな年金で何とか生活を続けていたのです。
そのため、隣人が皆立ち退きに応じ引っ越していく中、理解力も落ち、立ち退きも拒否をする騒ぎとなり、大家さんも困り果てた状態。市のケースワーカーに相談し、急きょ軽費老人ホームの入所申し込みを行うことになりました。
その後、入所判定会議によりタイミングよく入所可能となりましたが、本人の認知症状がもう少し進行していたら恐らく入所できなかったと思います。
まとめ
軽費老人ホームは、原則、自立~軽介護程度の人が対象となっています。しかし入所した時に、いくら自立に近い状態であっても、月日の経過とともに、加齢に伴う心身の機能の低下はやむを得ません。こうした状況の中で、介護の必要性が出てくることも想定していかなければならないでしょう。