ケアマネの資格取得後、施設ケアマネになるか、在宅のケアマネになるかをみんなどうやって決めているのでしょうか。ここでは、施設で働くケアマネの役割について紹介します。
- 施設の介護士から施設ケアマネへ
- 自分の祖母が施設入所をした経験から施設ケアマネの道へ
- 施設では、みんな同じサービスを提供しているのだから、プランはみんな同じでもいいの?
- 施設は、入所者が多いから大変?
- まとめ
施設の介護士から施設ケアマネへ
ケアマネの資格を取り、いざケアマネとして働こうと思う人が最初に考えるのが、施設・在宅どちらを選ぶかということです。
もともと、施設で介護士として働いている人は施設のケアマネに、在宅系のサービス事業所で働いている人は居宅のケアマネを選択する人が多いと聞きます。
実際私が長年働いていた職場の中にある特養のケアマネも、みんなその施設で介護士としての経験を積んでケアマネに転職した達でした。
介護士からケアマネになった職員が、今まで介護士の立場から利用者を見てきているので、今後新たに、ケアマネとしての立場で利用者と関われるのは、とてもうれしいと話をしていたの覚えています。
自分の祖母が施設入所をした経験から施設ケアマネの道へ
自宅で、家族と一緒に暮らしていた自分の祖母を施設入所させた経験から施設ケアマネの道を選んだ人もいます。
本当は、長年住み慣れた自宅で最期まで生活させてあげたかったけれど、祖母を介護する母親が病気になり、やむなく施設入所を決断したと彼女は話してくれました。
しかし入所後、彼女の祖母は、環境の変化等もあったのか、急激に認知症状が進み、あっという間に、孫である自分のこともわからなくなってしまったそうです。そういう体験をした彼女には、きっと何か感じるところがあったのでしょう。
その後、彼女は頑張ってケアマネの資格を取り、迷うことなく施設ケアマネとして働き出しました。
施設では、みんな同じサービスを提供しているのだから、プランはみんな同じでもいいの?
施設、在宅ともに、利用者が住んでいる場所はそれぞれ違っていても、ケアマネが自立を支援するためのプランを作成するという役割には変わりありません。
同じ施設で生活をしていても、利用者それぞれに、心身の状態や生活に対する意向は違うのですから、ケアマネとして、まずはしっかりと聴き取りをする(アセスメント)必要があります。そして本人の自立を妨げている問題の解決や生活の意向を実現していくためのプランを作成します。
したがって、みんな一律に同じプランや同じケアではないはずなのです。またプランも、本人の状態や意向に変化があれば必要に応じ見直され、必要なケアもその都度変更されていくことになります。
施設は、入所者が多いから大変?
施設の規模により入所者の人数も違います。在宅と違い、同じ環境の中で多くの人が生活をともにしている訳ですから、ひとりひとりの利用者に対して細かく目を向けていくことは、非常に大変なことだと思います。
しかし、逆に在宅と違うところは、常に同じ利用者を見ている多くの専門職種がいるということです。何か問題があれば、それぞれの専門的な意見も聞きながら、必要なケアを検討し、チームで連携していくこともできます。
まとめ
色々な事情があり、在宅で生活していくことができなくなり、施設で生活をしている利用者にも、それまで生きてきた長い人生があります。
そうしたことを常に意識しながら、施設での生活の中で、少しでも利用者本人が望む生活に近づけるような支援をするために、ケアマネの役割は非常に大きいと思います。